4ストのスクーターで「全然スピードが出ない」、とお困りの方も多いんじゃないでしょうか?
スピードがでない一番の原因は、ドライブベルトやウエイトローラーの摩耗の可能性が高いです。
今回はそんな「スピードがでない」というお悩みを解決する、ハイスピードプーリーキットをご紹介。取り付け方法や交換後のスピードなどについてもレビューしていきます。
※原動機付自転車の法定速度は30km。走行テストは公道ではおこなっておりません。法定速度は守りましょう!
ドライブベルトが原因でスピードが落ちる
私のDIOは購入当初から全くスピードが出ずに困っていました。そんな症状を治すべくKN企画のハイスピードプーリーキットを購入。色々なメーカーからハイスピードプーリーキットなどがでているので悩みましたが、お値段も手ごろだったのでこれに決めました。
この手のスクーターはドライブベルトが摩耗して、減ってくることにより最高速がだんだん落ちてくるという症状がでます。
ちなみに私のAF62 DIOは夏場で49km、冬場は45kmしかでません。はじめ乗った時は、「最近のスクーターはリミッターあんのか?」とまじめに思いました。
セットで全部交換するのがベスト
スピードがでない原因はドライブベルト、プーリー、ウエイトローラーなど様々な要因があります。
一つずつ交換するのは非常に面倒です。ハイスピードプーリーキットなど、セットのものを購入しまとめて交換しましょう。
結構いい値段のものもありましたが、KN企画のセットは4,000円くらで安かったです(商品はページ下部にリンクがあります)。
交換方法
クランクカバーを外す
まずはクランクカバーを外します。8mmが6本あるので外します。1本だけ長いのがあるのでどこだったか覚えておきましょう。
ビヨヨンってなってるのはつけたままでOK。微妙にひっついてとれにくかったりするので、プラスチックハンマーなどで軽く叩いてあげましょう。
このカバーの中もベルトかすが大量なので、プシューと吹き飛ばしときましょう。
そんなに減ってるようには見えないんだよなー。ベルトを指で触ってみると「多少張りが弱いかなぁ」レベルでした。伸びてしまっていたんでしょうね。
プーリーとクラッチのナットを外す
この左のプーリー側のナット17mmと、クラッチ側の14mmを外します。このまま回してもクルクル一緒にまわりますので外れません。
インパクトがない場合は固定するユニバーサルホルダー(プーリーホルダー)がないと難しいです。
ちなみにこんなのです。自作するツワモノもいるようですがね。
無理矢理なにかをひっかけてってのもできるかもしれんが、後ろのクラッチは激カタでした。ちなみにハンディタイプのインパクトレンチではパワー不足で回りませんでした。
コンプレッサーのインパクトで一気に回して外しました。これ道具がないと結構きついかも。ナットさえ外れればあとは引き抜くだけなんだけどね。後ろのクラッチの方が想像以上に固かった。
インパクトレンチがあれば、ユニバーサルホルダーは必要ありません。ハイパワーで一気に回して外れます。
カバーを外しベルトを外す
プーリー側のギザギザとクラッチカバーを外すと、ベルトはすぐとれるね。
プーリー、クラッチを外す
全部引き抜いて外していきます。ちゃんとどういう風についていたかおぼえておきましょう。写真撮っておくと、あとから「あれこれどっち向きだっけ?」などの時に困らないで済みます。
プーリーとウエイトローラーの交換
新しいハイスピードプーリー(右)。純正と一緒のように見えますが、山の角度が違います。これでベルトがウィーンってなってスピードがでるんです。
このプーリーの偏摩耗でもスピードが遅くなります。
プーリーの裏側、隙間にウエイトローラーが入ります。
ウエイトローラーは軽くすると加速重視、重くすると最高速重視ということになります。まぁもろもろの条件によってかわるので、その辺は自分でコツコツですね。
このセットのは、7Gですね。
新旧並べてみると、消耗っぷりがわかりますね。ウエイトローラーなんて、偏摩耗してへんな形になっていました。
これもスピードを遅くする原因。
こんなかんじで段差がうっすら。消耗品なので使ってりゃヘタってくるよね。
ウエイトローラーもこの通り。どうやったらこんな減り方というか削れ方するんだろうか・・・。
もうこの辺を交換している時点で、スピードは上がった気分です。ということで次はドライブベルトを交換していきましょう。
ドライブベルトを交換
新品のベルト、張りが違いますな。黄色い弾丸みたいなのが進行方向とか思ってみたりしましたが、多分関係ないねw
弾力も違いますね。「伸びてんのかな?」と思って比べてみましたが、よくわかりませんでした。
もちろん下のが新品。弾力があるのです。
あとは取り外した時と、逆の手順でつけていけばOK。油分がつかないように注意しましょう。
それとクラッチをつける際は、手で開いてから取り付ければやりやすいです。
こんなときにも写真を撮っておけば、見ながらできます。慣れていない方は、こまめに写真を撮りましょう。
締めすぎ注意
プーリーとクラッチ側のナットは締めすぎないように注意しましょう。締めすぎると全てが台無しどころか、バイク自体をダメにしちゃいます。
トルクレンチをこの時の為に購入したのですが、見事に使うの忘れてたってアホっぷりです。ま、ほどほどパワーで締め付けてあげればいいだけなので、そこまで気にする必要はないですがね。
ソース不明ですが、締め付けトルクはプーリー側59N(6.0kg)、クラッチ側39N(4.0kg)みたいです。
交換後はメーター振り切り
交換後のテスト結果は、なんと最高速がメーターを振り切り65kmくらいに!16kmアップじゃないか。下り坂コースでは70kmにせまる状況。かなり上々な出来です。
やっぱり遅かった原因はドライブベルトやウエイトローラーだったわけだ。
スピードはあがりましたが、最高速に達するまでの時間はこれまでどおり結構かかります。ただ交換前より遅くなったわけではなく、むしろ早くなっています。
スピード以外も色々改善
その他スピード以外にもいろいろ改善しました。
まずアクセルレスポンスが向上しました。動力がうまく伝わっていないようなゾーンが発進時にありましたが、見事に改善しました。交換後はアクセルを開けると、ダイレクトに伝わっているのがわかります。
さらに燃費も向上しました。これまではロスがいろいろ多かったんでしょうね。
今日のまとめ
アクセルを開けても進まない、スピードが遅い、などなどのトラブルを抱えている方は、一度交換してみるといいと思います。ドライブベルトやウエイトローラーは消耗品ですので、定期的な交換が必要です。
多少工具などの準備は必要ですが、数千円でストレスから解放されます。お悩みの方は一度交換してみるといいです!
今回交換に使用したのはKN企画のハイスピードプーリーセットです
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