前回の記事で界面活性剤であるLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)とAE(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)について簡単に調べてみました。
今回は皮膚への安全性や体内への継続摂取など「安全なの?」って部分を見てみようと思います。「LASとAEどっちが安全?」って思ってる人以外まったく面白くないと思います(笑)
ということで界面活性剤の安全性を知りたい方、いってみよう。
LASとAEの健康への影響比較
さまざまな界面活性剤があるので全部とはいきませんが、洗剤に使われる代表的なLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)とAE(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)について調べてみようと思います。
参考文献をもとに安全性など健康への影響を比較してみました。
「日本石鹸洗剤工業会」のリスク評価書を参考にさせてもらいました。詳しく研究結果などをもとにまとめられていますので、興味がある方は一度見て見てみてください。かなり参考になります。
以下、引用させて頂き見ていきましょう。
参考文献 界面活性剤のヒト健康影響および環境影響に関するリスク評価
皮膚に対する安全性
モルモット、ウサギを使った皮膚刺激性試験結果がまとめられています。皮膚に付着しても大丈夫かって事ですね。
LAS:軽度から中程度の皮膚反応
LASは高濃度(10%)ではモルモットの皮膚に対して刺激性を示すものの、1%では皮膚反応を生じないことが確認されている。
また、ヒトにおいて0.05%および0.2%水溶液での繰返しパッチテストという、実使用条件よりもはるかに厳しい適用方法で皮膚への影響がが検討されたが、軽度から中程度の皮膚反応に留まることが確認されている。
AE:軽度な刺激性
ウサギを用いた皮膚刺激性試験では、AEを未希釈で塗布した場合には、強い刺激性が認められるが、低濃度(1%以下)では皮膚反応が生じないか、あるいは軽度な反応しか認められない。
ヒトにおいては、AE 20%配合クリームの繰り返し貼付試験によって、軽度な刺激性が認められた。また、感作性は認められなかった。
※感作性:アレルギー反応のようなもの
感想
どちらとも「ヒト皮膚に対する刺激性および感作性のリスクは極めて低いものと考えられる」という言葉で締めくくられています。
どちらも皮膚に対する安全性は問題ないみたいです。基本的には洗たくって大量の水で薄めるので大丈夫そうですね。
体内への継続的摂取に対する安全性
ヒト推定最大摂取量と哺乳動物を用いた長期毒性試験結果。体内に摂取してしまった場合の影響を試験しています。
LAS , AE ともに同じ
皮膚からの吸収量は僅かであり、体内に取り込まれた場合にも尿や糞便中に排泄されることが動物実験などで確かめられている。
以上のことから、日常的に長期間使用した場合においても、ヒト健康に影響を及ぼすリスクは極めて低いものと考えられる。
よく危険性を指摘するブログなどで、「汗で洗濯物の中に含まれるLASやAEが溶けだし体に悪影響がある」などと言われていますが、微量のものは排出されて行くようですね。なるほど。
断片的に鵜呑みにすると間違った情報を信じる事になりますね(まぁこの文献が正しければって事になりますが。一般人には調べる術はありません)。
感想
変異原性/遺伝毒性、発がん性、催奇形性、繁殖性についても、数多くの研究結果からいずれの毒性ポテンシャルも有さないことが確認されている。
台所用洗剤に含まれていて微量に摂取したとしても問題はないとのことです。食器への残留や野菜を洗剤で洗った場合の残留なので、摂取量は想定よりも少なくなるんじゃないでしょうか。
最近は食べ物を洗剤で洗いませんしね。なのでそんなに気にする必要はないでしょうね。
耐容摂取量の比較
1日当たりどれくらい体内へ摂取しても大丈夫か、の試験ですね。こどもさんがいるご家庭であれば気になるところでしょう。
LAS 耐容摂取量
1日当たり摂取しても耐えれるLASの量と、推定の1日当たりの摂取量。
3mg/kg/日 > 0.29mg/kg/日又は0.18mg/kg/日
【体重50kg当たりの摂取量】
東京都衛生局公表値換算(1973年)0.290mg
大阪府衛生部公表値換算(1977年)0.18mg
一日あたりの推定摂取量が0.29mgと考えた場合、1日当たり耐えられる量のおよそ30分の1程度を摂取しているということですね。
AE 耐容摂取量
1日当たり摂取しても耐えれるAEの量と、推定の1日当たりの摂取量。
6mg/kg/日 > 0.00952mg/kg/日
【体重50kg当たりの摂取量】
※旧厚生省発表値
一日あたりの推定摂取量が0.00952mgと考えた場合、1日当たり耐えられる量のおよそ630分の1程度を摂取しているということですね。LASに比べるとAEの方が多少影響が少ないような感じがしますね。
どちらにせよ、AEの方が一日あたり摂取していい量はLASの2倍ということで、AEの方がヒトは耐容値が高いということですね。これがLASよりもAEのほうが、と言われてる理由なのかな?
感想
推定最大摂取値の元データが古いので微妙ですが、どちらとも特に気にするレベルではなさそうですね。
素人がこの数字を見ても影響があるか、ないかの判断はつきませんね。ん~、むずかしい。
リスク評価 結論:リスクは極めて低い
ヒト健康影響については、通常使用時および誤使用時のいずれにおいてもリスクは極めて低いと評価された。
特に、長期間使用した場合の体内への継続的摂取について、ヒト推定最大摂取量とヒト耐容一日摂取量を比較したところ、ヒト推定最大摂取量はヒト耐容一日摂取量を下回っていた。
また、変異原性、遺伝毒性、発がん性、催奇形性,繁殖性についても、毒性ポテンシャルは認められていない。
結論としては使用のリスクはほとんどない、というような結果です。発がん性などの毒性も認められないとのことで、あまり気にしすぎる必要もないようですね。
検索すれば危険を煽っているサイトも結構ありますが、ソースはなんなんでしょうね。きになります。
う~ん、気にして損した。
LAS , AEまとめ
結局どっちも一緒なんじゃないかと思ってきました。安全性に関しても研究結果で安全とわかっているのであれば、そんなに気を使う必要はないんじゃないかなぁと思ってきました。
しかしさらに調べを進めていくとどちらの界面活性剤も経済産業省のPPTR制度の対象物質でした。
対象となる化学物質は、本法上「第一種指定化学物質」として定義されています。具体的には、人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する(暴露可能性がある)と認められる物質として、計462物質が指定されています。そのうち、発がん性、生殖細胞変異原性及び生殖発生毒性が認められる「特定第一種指定化学物質」として15物質が指定されています。
出典 経済産業省 PPTR制度 対象化学物質
PPTR制度とは環境汚染、人への有害性などの毒性があるものを使用する場合に国に対し申告する制度です。
LASもAEどちらとも指定化学物質になっているので、国への届け出が必要です。ただ発がん性のある特定第一種には指定されていませんでした。発がん性などはないようですが、環境や人体に少なからず有害なため指定物質になっていることは確かですね。
今日のまとめ
今回調べてみて「自分で調べる」ってことがどれだけ重要かわかりました。さらに情報の出所も重要な事をあらためて気づかされました。
なのでこの記事を見てくれた方は、この記事をだけではなく自分できちんと調べてみましょう。んで私の記事が間違っていたらご指摘くださいませ。
ということで結局LASもAEもあんまりかわんないんじゃないかという結論に(笑)まぁなんとなく気分的にしばらくはヤシろうと思います。
あーつかれた、もう洗たく洗剤のことを深く考えるのはよそう。。
続きはこちら。
ヤシノミ洗剤まとめ
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