玄米たまごごはん、絶品です。玄米はたまごごはんや、カレーなどとすごく相性がいいんです。
これまで3回にわたり、玄米について説明しました。
今回は、実際に「玄米を浸水し、発芽させ、乾煎りして炊飯するまで」を画像とともに説明していきます。
これでアブシジン酸をやっつけましょう。
調理開始
まずは玄米を軽く洗っていきます。白米を研ぐ時と違って、研いだりする必要はありません。
洗い方は「玄米のマイセン」のページがイラストあってわかりやすいです。
まずは玄米を洗う
まずは2、3回水洗いして汚れや不純物を洗い流します。そのあとに玄米を両手ですくい、軽くもみ洗いします。あんまり強くなくてOK。あんまり強いと傷つきます。
ちなみに、もみ洗いしているのが拝んでいるように見えるので、拝み洗いとも言うみたいです。
しっかり浸水させる
前回お話しした、アブシジン酸の事を考えると、発芽・乾煎りしないで食べる場合でも最低6時間程度は浸水したほうがいいと思います。
もともとぬか層そのままですので、白米に比べ玄米は「吸水力が抜群にない」食べ物なわけです。なのでしっかり浸水させましょう。
白米と同じくらいの浸水時間の場合、玄米はほとんど吸水しませんのでご注意を。
100均とかに売っている超大きめのボウルにザルをいれ、その中に玄米を入れてあげると楽です。そして水をはれば、水を交換するのが簡単です。
洗ったら発芽させましょう
水をはっている画像がない。まぁ洗い終わった玄米のボウルに水いれただけです。並々と。
ネット上には圧力鍋を使った方法や、温度を40度のぬるま湯を入れる方法などがいくつもあります。だけど圧力鍋ないし、温度を考えてするのも面倒です。
面倒なのが一番長続きしません。ということで、水道水を直です(気が向いたらブリタ)。
浸水時間は季節で調整
発芽させる時間は季節で変わります。
春・夏 | 24~48時間 |
秋・冬 | 48~72時間 |
上記時間くらいを目安にしましょう。
発芽させる理由は、前回お話ししたアブシジン酸が不活化するからです。アブシジン酸は発芽を司る物質で、種子毒です。
それが発芽することにより、人体に無害になるわけですね。
(※しつこいですが諸説あり、前回記事参考ください)
水交換時間の目安は?
生きている玄米は呼吸をしていますので、水が段々汚れていきます。うっすら濁り、ブクブクがでてきます(呼吸している感じが生きてます)。
なのでこまめに水をかえてあげる必要があるわけです。あまり長い時間放置していると、酸っぱいにおいがしてきます。
夏場はかなり頻繁に交換してあげないとアウトになります。
交換時間の目安はこれくらいです。
夏場 | 3~4時間 |
冬場 | 7~9時間 |
なにより水が汚れてくるとだんだんすっぱいにおいがしてきて、ダメになってしまいます。なので、少しでもすっぱいにおいがすると思ったらすぐ交換しましょう。
発芽の様子
これは浸水してからしばらくおいた状態です。玄米の右上の胚芽の部分が少しふくらんできているのわかりますか?
これをもうしばらく置いておくと、もっと生えてきます。
はい、こんな感じでニョッキニョキです。
これは気温一桁台が続いた時で、たぶん72時間くらい浸水していたと思います。ここまで芽を出す必要はないみたい。むしろ芽がですぎるとあんまりよくないとかいう情報もあります。
それでは浸水が終わったら、いよいよ乾煎りしていきます。
乾煎りの方法
水を捨て、10分くらい置いてしっかり水を切ります。しっかり水を切っていた方がフライパンで炒める時に楽です。
強火で12分程度炒める
強火で炒めはじめます。私は、冷えたフライパンに玄米をいれた時から時間を図り始めます。図らなくても炒め具合でなんとなくわかるんですが、一応。
乾煎りする時間は12分~15分程度です。
だいたいこれくらいで、パチパチ玄米がはじけだして、香ばしいかおりがしてきます。ポップコーンほどはないけど、けっこうパッチンパッチンなります。
季節によって変わるので、香ばしい香りと弾ける玄米がしばらく続いたらOKな感じです。
焦げないように定期的にあおる
中華鍋の要領でプライパンをあおりましょう。
はじめの5分くらいは20~30秒に一回くらい。水分とんだ後半は注意です。一部分の玄米だけ焦げないように気をつけましょう。
高温で乾煎りすることで玄米の固い殻をもろくすることができるわけですね。消化もしやすくなり胃にもやさしいし、栄養素もしっかり吸収でるわけです。
胴割れ米、斑点米をピックアップ
玄米や白米には、割れた米や、黒い斑点がついた米があります。まぁ食べてしまっても問題ないんですが、目についた時は取りましょう。
浸水や洗っている最中にとるのは結構大変です。乾煎りの最中に目に入ったら取りましょう。割れているのが胴割れ米。黒いのは斑点米です。
斑点米は、カメムシがデンプンを吸いだしたあとに、カビが発生するためです。食べる分には問題ないですが、気分的にね。
どこの玄米、白米でも言えることですが、農薬を使わずに自然に近い方法で栽培しているものには普通にあることです。
こういうのが嫌な人は無農薬とか買わない方がいいですね。
びっくり水投下
しっかり乾煎りできましたら、水を投下します。これはビックリ炊きがベースにあるようです。
玄米の殻をやわらかくするためなんだと思います。ビックリ炊きは昔から伝わる玄米の炊き方なんだそうな。先人の知恵ですね。
キンキンのフライパンに水をしっかり浸かるくらい入れると、一気に沸騰しますので、そのまま5分程度まぜながら煮ていきます。そして完成。
なぜ乾煎りするのか?
まず、乾煎りは絶対にはしないといけないわけではないです。乾煎りすると玄米がパサパサになり味としては落ちるので好まない方も多いです。実際乾煎りしないほうが玄米はおいしいです。
じゃあなぜ乾煎りするか。
これは一度、発芽モード or 発芽後に不活化するアブシジン酸が、炊飯後に冷えることで再活性化する可能性があるからです。
お休みのところすいませーん。アブさんじゃないと解決できない事案が発生しまして・・
なんだそれ~、ゆっくりしてたのに~。
すいません、アブさんしかできないんですよ。
え~
今度なんかおごるんで、お願いできないですか?
仕方ない、じゃーいくよ
復活するからちょっと待ってて
いや、どうでもいいですね。CSSでライン風にできたので、無意味にやってみただけです。
冷えるってのは、小分けにして冷凍したり、お弁当などで持っていったりという場合がコレにあてはまるわけです。
なので炊飯器に入れたまま保温して食べきるような場合は「アブシジン酸復活」はないようです。
この辺はうまく生活スタイルにあわせてください。私は、お弁当にも持っていきますし、冷凍もするので乾煎りは必須です。
いよいよ炊飯へ
さー、長かったですね~、これでやっと炊飯できますよ。
圧力鍋でやる方法もあるみたいですが、高温(圧力鍋は120度とか)になりすぎるとアクリルアミドが生成される可能性もあるのでやめておきます。
まぁ乾煎りしている時点でアクリルアミドが生成されてる気がしますが。
気になる方は農林水産庁のHPでアクリルアミドについて結構わかりやすくまとめられています。
それではフツーの炊飯器で玄米を炊いていきましょう。
玄米を炊く
乾煎りが終わった玄米を、炊飯器に入れて炊いていきましょう。
塩を入れる
お塩を少々いれましょう。
玄米は山の恵み、塩は海の恵みということで栄養吸収率がよくなるらしいです。
我が家では宮古島の雪塩をいれています。今使っているのは顆粒タイプですが、ふわふわの雪みたいな塩です。下のリンクはノーマルふわふわ雪塩。
ノーマルタイプ雪塩は、ふわっと塩味をだしたいときに最高です。どちらかというと下味じゃなくて、食べ物に直接かけて食べる使い方がいいです。今回のような料理の下味系は顆粒の方がよいですね。
入れる量は適当に調整して下さい。
水の量は目盛のやわらかめにあわせる
水の量は炊飯器に目盛がついていると思いますが、白米のやわらかめの量にあわせてあげればオッケーです。通常の目盛より少し多めってことです。
我が家では水はブリタの浄水です。
あとは炊いてみて固く感じるのであれば、次回少し水を増やしたりして調整してください。
炊き上がり
写真があまりおいしそうではないですね。
ちなみにおいしく炊けた玄米はカニホール現象が発生します。炊飯器の底から上に抜ける空気の穴がポツポツできるわけです。それがおいしく炊けた玄米の証なんだそうな。
乾煎りするとなりません。
ちなみに、こんな感じです。
乾煎り後、煮てる最中ですが、イメージはこんな感じ。
ということで無事に玄米が長い工程を経て炊き上がりました。見てるだけで面倒さが伝わってきますね。
しかしやってみると、そこまで苦労しません。ということで興味がある方はやってみましょう。
玄米を食す
まずは普通に炊き上がった玄米。乾煎りにより固い殻がやぶれて、なかの白米さんがこんにちはしております。
水っぽくみえますが、そんなことはなくツヤツヤなだけです。
一度少しだけ浸水して炊いた玄米を試しに食べましたが、かなり固くて大変でした。
それに比べ、浸水し乾煎りした玄米はやわらかくなり非常に食べやすいです。とは言ってもそこは玄米ですので、白米に比べたらしっかりした歯ごたえですがね。
かめばかむほど甘みがでてきます。なんだか久しくこんなのは味わったことがありませんでした。
玄米を食べるようになって噛む回数を意識してみたんですが、白米の時の噛む回数なんてせいぜい50回くらいなもんですよ。早食いの人は10~20回かもね。
だけど玄米はしっかり噛まないと消化に悪いので、少なくとも100回~150回は噛みます。初めのころはあごが筋肉痛になりました。
玄米でシェイプアップにもなります
しばらく玄米を食べ続けていたところ、いろんな人に「やせた?」って言われるようになりました。体重は変わっていないんですが、おそらくあごまわりがシェイプアップされて細く見えたんじゃないでしょうか?
鏡を見てみるとたしかにフェイスラインがすっきりしたような気がしました。よく噛むことにより、小顔すっきり効果がありそうですね。
玄米ダイエットなるものもあるようですが、玄米だけで体重を減らすことはなかなか難しいと思います。白米とカロリーはそんなに変わるわけじゃないですからね。
トイレは要観察
玄米は、お通じがよくなり健康的になることで、結果としてダイエット効果があるかもしれません。
玄米を食べる場合は、でてくるう○ちをよく観察しましょう。あまりにも粒粒がそのままの方はうまく消化できていません。
ただし鬼のようによく噛んでも粒はでてくるので、あまり神経質になる必要はないと思います。まぁそれだけ噛むのは大事ってことです。
ただし減量や、あごやせは、玄米の効果というよりは副次的効果です。「玄米好きで食べてたら、ついでに顔がすっきりしてきちゃった」くらいに考えましょう。
玄米にあうごはん
玄米にあう料理もいろいろあるわけですが、ふだん食べる料理も味が大きくかわります。
こんなのなんか玄米おすすめです。
たまごごはん
もうこれは鉄板ですね。ぺろっといけちゃいます。
ほら、うまい。
しかし私はたまごごはんを混ぜたい派です。
行儀悪いのかな。おいしいからいいでしょう。
玄米カレー
玄米とカレー。
これは文句なしうまいです。
今日のまとめ
ということで数回に分けて、長々と玄米について書いてきました。
メリットも多い玄米ですが、食べる場合は色々注意してください。消化力の弱い、お年寄りやこどもさんがいるご家庭は特に気を付けてくださいね。
それでは楽しい玄米ライフを!